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011《自然》クマ探し《その3》-悪さをするクマ、しないクマ

  • ilovewell0323
  • 1月4日
  • 読了時間: 3分

更新日:1月19日

アラスカ一人旅をあらかた終えてバンクーバー島に戻り、最後の一遊びのつもりで再びバンクーバー島北部を訪れた。一年前、アラスカの旅のトレーニングとして何回か訪れた地であり、思い出の場所や友人もできていた。旅の余韻を楽しみ最後を飾るにうってつけの場所であった。

馴染みの安宿に泊まり友達と飲んだりしたが、やはりクマが気がかりである。アラスカでは確かに沢山のクマに出会うことができた。撮影のコツもそれなりに分かり、危険の度合いも体感できた。ブラックベアは普通にいたし、グリズリーの撮影もかなり間近の距離で成功した。でも、ブラックベアに限って考えると、アラスカよりもバンクーバー島北部の方が生息密度は濃いのではないか。しかもバンクーバー島にはグリズリーがいない。正確に言うと、たまにメインランド(大陸)から海を泳いで渡ってくるらしいのだが、「今年は来てるかどうか」をネットで確認できる体制が整っている。だから、「安全な」とまでは言えないが「(グリズリーに比べれば)おとなしい性格」のブラックベアの撮影をゆったり楽しむことができそうだ。

これまでの経験で把握しているクマの撮影ポイントを一通り回ったが、イマイチ物足りない。そこで、初めてブラックベアに遭遇したキャンベルリバーに行ってみた。キャンベルリバーはサーモンの遡上で名の知られた川で、遡上狙いの釣人が集まり、同様に周辺の山からブラックベアも集まってくる、サーモンを食べに。

ピンクサーモンを釣ったことのある支流をのぞくと、音が聞こえるような派手なライズをサーモンが繰り返している流れを見つけた。こういうのを目の当たりにすると、釣り人はいてもたってもいられなくなる。クマが出て来ないか辺りをきょろきょろ気にしながら何尾かのピンクサーモンをフッキングさせたら、日が傾いてきた。ふと下流側を見やると、ブッシュからクマが河原に姿を現した。私が釣りをしていた間、クマはブッシュの中で辛抱強く待っていのだろう。それが、薄暗くなったのでもう我慢できない。サーモンのライズ音はクマの胃袋も刺激していたはずだ。釣り人など構っていられるか。早くサーモンが食べたい。ライズのポイントへ、それは同時に私の方へということになるのだが、ズンズン近づいてくる。私から数メートルの流れに入って、クマは黙々とサーモン漁を始めた。性格のおとなしいブラックベアとは言え、最早釣りどころではない。私は安全な場所まで引き下がり、カメラをセットし、撮影可能な明るさがある限り、シャッターを切り続けた。

こちらのブラックベアは、ヒトに一定の遠慮をしながら暮らしているように感じる。それは、広大な森があり無数のサーモンが川を遡るという自然本来の姿が保たれているから可能なことなのだろう。日本に目を転じると、これとは正反対の現実がある。山を追われた哀れなクマが人里で悪さをする。マスコミが事細かに報道して、日本ではクマは凶悪犯の扱いだ。もし私がクマだったら、バンクーバー島に棲みたい。



 
 
 

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